岩崎淑著「ピアニストの毎日の基礎練習帳」との出会い その1
前回の日記の続きとして、ならば自分に向けたメッセージはどうなるのか、ということを考えてたので、よしもとばななと村上龍のそれぞれの著作のこと、とあと、自分の息子らへの思いを書いて、このことについて思ったこと考えたことの区切りとしよう、と、思っていたら、とんでもない本とであった。少なくとも自分にとって。このタイミングで、この本と出合うのか。とか、そんなことを思った。個人的には。話題をこっちにして、ちょっと続けてみる。それは、この本。
- 作者: 岩崎淑
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2011/04/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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先日自分はベートーヴェンの23番のソナタの第1楽章でレッスンを受けたときの様子を次のように書いた。
(前略)4回目のレッスン曲目をベートーヴェンのピアノソナタ第23番の第1楽章に決める。レッスンまで数週間に迫っていたが、かつて複数回ステージに乗っけたことがあるし、なんとかレッスンで見てもらうには、という思いで準備した。
結果は、「自分はこの楽器に関してこんなにも、感覚が鈍かったのか、楽器というより音楽に関して。こんなに、何にも考えてないのか。」と少なからずショックを受けるものだった。過去3回のレッスンの教えは当然クリアしてなければならない地点からレッスンは始まる。一回通しで弾いたあと、再度弾くが、そのときはもう、数小節弾く度に自分の腕は払いのけられた。「そうではない。」。(後略)
http://www.ntv.co.jp/gyoten/oa/111102/02.html
の世界仰天ニュースを見たのが11月2日の夜。このレッスンを受けたのが11月3日。そして、11月12日の土曜、ふと立ち寄った書店の、音楽本のコーナーで著者名とタイトルに引かれててにしたのが、岩崎淑著「ピアニストの毎日の基礎練習帳」。
著者の岩崎氏は、自分の長年の師匠の同門の、兄弟子に当たるひとが師事した先生として、記憶していた。また、自分はピアノ弾きとして、コンクールらしいコンクールに挑戦すらしないまま人生終われないとおもって、音源審査の当日消印締切日に地元のホールを借りて録音し、音源送って通過せずという、高松国際ピアノコンクールの審査委員長としても、記憶にある名前であった。その落選音源もネットに公開してるので、リンク貼り付けておく。
http://musictrack.jp/musics/14574
http://musictrack.jp/musics/14734
兄弟子との会話の中の、「(ショパンのバラード1番のレッスンで)冒頭の和音を永遠とやり直し(させられるようなレッスンだった)」という話は、あるいはこの、岩崎先生のレッスンだったのか、記憶は定かではない。
そうして手に取った本の帯。
1日15分、この練習を続けてみてください。
初心者から大人の学習者まで。
ピアノを教える先生方へ。
プロ・アマ問わず、舞台でピアノを弾く人へ。
本当に効果的な練習法、
楽しみながらピアノを続けていける方法をお伝えします。
え?っと、驚きが走る。自分は7歳からピアノのレッスンに通い始め、41歳になった今も時々ピアノのレッスンに通うのだが、こういう思想に出会ったことがない。厳密に言うならば、決して、あるいは絶対的に、インチキやまやかしではない、一流のピアニストの考えとしての、こうした言葉は、自分にとって一瞬信じがたい響きをもっている。だから、そして同時に、自分をぐっと引き寄せた。そして自分はページをめくった。(続く)